脱水症状の症状が深刻になると病院で点滴治療を受けるケースもあります。どのくらいの時間で回復するのでしょうか?治らない場合もあるのでしょうか?その効果について紹介していきます。
また、病院での点滴看護を受ける場合にかかる費用などについても紹介していきます。
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病院での点滴治療は意味ある?
脱水症状の程度がひどく、例えば自力での水分補給が難しいような状態になると、救急搬送されて病院へ……ということも考えられます。特に、外出先で倒れたなんてことがあったら、救急車に頼る例も増えてきます。
病院では、点滴による治療を施されることが多いです。要するに、自力では難しい水分補給を点滴によって行おうということですね。この時、どんな患者に対しても同じ点滴を施すということはありません。
脱水症状の程度や患者の年齢、あるいは体質とか持病の有無などで、点滴する液体を少しずつ変えるのが普通です。また、点滴の所要時間についてもまちまち。
健康な人の場合
例えば、脱水症状の程度は重いが特に持病は無く、一刻も早く失われた体液を補う必要がある入場時の場合は、点滴の速度を上げて迅速な処置をします。
ただし、点滴療法はどれだけ急いでも最低、一時間程度はかかります。別の項目ですでに解説しましたが、例えば水道の蛇口をひねってたくさん水を出したときのようなスピードで水分補給をしようとしても、身体はそれほど急激には水分を吸収できません。
あくまで水分補給とは、ゆっくり確実に行うのが原則なのです。ましてや点滴なら、構造上、薬剤を体に注入することは難しいです。
そして、若い世代ではなく高齢者の場合や、なんらかの持病を持っている熱中症患者の場合、点滴の所要時間はさらに長くなります。
持病を持っている人の場合
特に、心臓や腎臓の働きに何らかの問題を抱えている人は、身体にかかる負担を軽減するため、通常よりも遅い速度で点滴をしなければなりません。
とはいえ、このあたりの調整は医師や看護師の判断で行われるので、脱水症状の患者がそれほど神経質にとらえる必要はありません。あくまで、そういうことがあるのだという予備知識程度にとらえてください。
点滴にかかる費用はどれくらい?
脱水症状の程点滴にかかる費用はどれくらい?(入院の有無)や点滴の量などによっても少しずつ異なりますが、点滴にかかる経費はだいたい1500円から2000円ほどで、この金額を極端に上回ることはまれです。
この金額には通常の診察料金(初めて病院へ受診した場合を含む)を考慮した金額なので、脱水症状の点滴療法にかかる費用はそれほど高いわけではありません。
ただ、脱水症状を引き起こしたときに行う点滴療法は、あくまで非常事態のための対処だと思ってください。可能な限り、点滴ではなく口からの水分補給を行ったほうが、身体にかかる負担も小さくなりますし、水分補給の効率も良くなるのです。
点滴による治療が必要だとされる目安は、身体の水分が、体重の比率で約3パーセント~6パーセント以上失われた場合です。
患者の状態によって、投与される物質が少しずつ違う
脱水症状の患者に対して施される点滴は、いわゆる生理食塩水が基本になりますが、患者の状態や症状の程度、あるいは、その時の患者の身体に不足している栄養分の種類などによって、少しずつタイプが異なります。
例えば患者によっては、生理食塩水を集中的に投与されることで、代謝性アシドーシス(体内のpHバランスが崩れて過呼吸などを引き起こす、一時的なトラブル)などを引き起こす危険性があります。
そういう事態を避けるために、乳酸イオンを含んだ〈乳酸リンゲル液〉を同時に投与するわけですね。
成分の使い分けについて
このあたりは特に専門的な解説が多くなるので、読むのが面倒だという人はさっと飛ばしてかまいません。ただ、念のために補足しておくと、そもそも代謝性アシドーシスとは、体内のpHの数値が低くなりすぎることによって起こります。
その数値を通常の状態に戻すのが、乳酸リンゲル液の働きです。
また、患者の体内で糖が特に不足している時はブドウ糖の溶液を用い、ナトリウムが不足している時ならナトリウム溶液を用います。症状の程度や患者の年齢、あるいは体重などを考慮し、必要に応じて希釈した溶液を点滴するのが普通です。
例:胃腸炎による脱水症状の場合
一例をあげるなら、例えば感染性胃腸炎の影響で激しい嘔吐や下痢が続いた場合、患者の体内からは急速にナトリウムが失われる傾向があります。こういう患者に対しては、ナトリウム溶液を(経過を観察しながら)投与するのが適切な措置ということになります。
どういった原因で脱水症状が引き起こされるかの違いによっても、患者に投与するべき点滴の成分が異なるということですね。
点滴にかかる費用はそれほど高額ではありません。しかし、お財布にとって打撃となることは間違いなく、また長時間の拘束も避けられません。背に腹は代えられないという部分はもちろんありますが、やはり脱水症状は予防がベストなのだということを肝に銘じてください。
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