熱はないのに頭が暑い。
ぼーっとした感じがして日中のパフォーマンスが下がってしまう。
そんな時はありませんか?
それは『内熱(うちねつ・ないねつ)』が籠っているのかも知れません。
ここでは一般的に馴染みが薄い『内熱』から頭が暑くなる原因と対処法を説明します。
目次(クリックするとスクロールします)
夏に頭が熱くなる原因は?
まず、夏は基本的に外気も暑い訳ですから、体内の熱が発散しづらいという季節の特徴があります。
ここに内的要因が加わると『頭が熱い』という症状が現れます。
内的要因はいくつかあります。
②皮膚機能(汗腺)の働きの低下
③ストレス
④食生活の不摂生
⑤疲れ過ぎによるもの
⑥女性ホルモンバランスの乱れ(更年期など)によるもの
⑦高血圧によるもの
以上、一つ一つご説明します。
自律神経の働きの失調(熱中症など)
自律神経の働きの一つに『ホメオスターシス』というものがあります。
これは『恒常性維持機能(こうじょうせいいじきのう)』と言い、身体の温度を一定に保つ作用があります。
ここが自律神経の失調により上手く働かなくなると体温調節機能が低下し、暑い時に身体を冷ます機能が失調します。
自律神経の失調をきたす主な原因は
・過度なストレス
・睡眠不足
・暑さ寒さの急激な変化
です。
これらが単発または組合わさることにより体内の温度調節機能が失調する為に身体が熱くなり、熱が上昇する為頭が熱くなります。
皮膚機能(汗腺)の働きの低下
アトピー性皮膚炎などで皮膚機能、主に汗腺の働きが低下すると上手く汗を促すことが出来なくなり、結果身体に熱が籠りやすくなります。
熱い湯気が上に上ることからわかる通り、熱は上昇する性質がありますから、内に籠った熱が上昇し頭が熱くなるという訳です。
ストレス
特にイライラが頭を熱くする原因になります。
月経前症候群など、特定の期間だけイライラするケースもあります。
イライラは身体の防衛反応ですが、交感神経を刺激して身体を戦闘態勢に持っていっていますので血圧が上昇、この為頭が熱くなるという現象が起きます。
よく怒っている人のイラストは顔を真っ赤にしたり、「頭を冷やしてくる」という言葉がある通り、頭に血液が集まると熱を生じます。
食生活の不摂生
加工食品や外食、過度な飲酒を繰り返すことにより、身体に老廃物が溜まり、まるで『ごみ集積場』のように有害な熱を蓄えるようになります。
それが上昇するので頭が熱くなったり、不快な頭痛の原因になります。
疲れ過ぎによるもの
仕事やプライベートでの疲労が蓄積すると、身体があちこち痛み出します。
筋肉痛がわかりやすいですが、痛みがわからなくても身体中で炎症を起こしている状態となります。
炎症には『熱を持って腫れる』という性質があると共に、『炎症を鎮める為に熱を生じる』というダブルの熱が生じ、微熱状態になります。
その熱が上昇すると頭が熱くなるということです。
女性ホルモンバランスの乱れ(更年期など)によるもの
圧倒的に女性に起こりやすい更年期の代表症状として『ホットフラッシュ』がありますが、これはホルモンバランスの乱れによるものです。
『ホットフラッシュ』とは、ふとした瞬間に顔がカッ!と熱くなる症状です。
女性の月経周期の中には低温期と高温期があります。
低温期には卵胞ホルモンが働き、赤ちゃんの布団(子宮内膜)を厚くして卵子を育み、高温期には黄体ホルモン(プロゲステロン)が働き、卵子を温めます。
更年期を向かえたり、ホルモンバランスが乱れると卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少し、黄体ホルモンの働きが突然現れることがあります。
これにより、急にカッ!と顔が熱くなります。
高血圧によるもの
赤ら顔の男性に多いですが、高血圧を生じると脳への血流量が増加することにより、頭に血が上りやすくなります。
昭和のお父さんのようにカッ!となりやすい方は頭が熱くなる傾向があります。
これは頭に瞬間的に血が上る回路が組上がっている為です。
以上、七つの原因を列挙しました。次項ではその対策を説明します。
夏に頭が熱くなった時の対処法は?
頭が熱くなる原因はわかりました。次はその対処法です。
外的対処法としては『頭を物理的に冷やすこと』
この一点に尽きます。
・アイスノンを当てる。
・冷たいシャワーを当てる。
・首や脇のリンパを冷やすこと
等があります。
それ以外の内的対処法について、それぞれの原因別に対処法を挙げておきます。
自律神経の働きの失調(熱中症など)の対処法
これはズバリ『生活習慣の改善』が一番です。
自律神経バランスを正常に保つのがポイントです。
- 早寝早起き
- 食事の不摂生はしない
- 急激な温度変化のある場所では徐々に慣らしていく
- ストレスを排除する
が挙げられます。
特に三才までの子供は体温調節機能がまだ未熟です。赤ちゃんは自分で上手く体温の調節が出来ないですから、衣服などで大人が調節してあげる必要があります。
皮膚機能(汗腺)の働きの低下の対処法
アトピー性皮膚炎等の場合、単に皮膚炎を治す対症療法のみならず、根源療法を取り入れます。
これには『腸内環境正常化』が必要です。
アトピー性皮膚炎の場合、Ⅰ型アレルギーといって自己免疫疾患の一つですが、これは血液中の白血球が異常をきたすことによって起こります。
ではなぜ白血球が異常をきたすかというと、腸内細菌の悪玉菌の中のカンジタ菌がカンジタトキシンという毒素を精製して、それが血液中に乗るために起こるということまで現代医学ではわかっています。
ですから、腸内環境を正常化にすることにより、アトピー性皮膚炎の改善に繋がるという訳です。
しかしこれには速効性はありませんので、何年も掛けて体質改善していきましょう。
最近では手軽に質の良い乳酸菌を補給出来るサプリメントも出ているのでそちらを利用しましょう。
ストレスの対処法
ストレスでイライラすると頭が熱くなります。
これには抗ストレスホルモンであるコルチゾールが関係しています。
コルチゾールが分泌されるとアドレナリンとノルアドレナリンが分泌される為、頭に血が上ります。
これは『自己防衛反応』によるものです。つまり『ストレスをストレスと感じるから頭が熱くなる』ことを知ることです。
ストレスの主な原因の一つに『人間関係』があり、退職の理由に挙げられる程ポピュラーに溢れています。
基本的に人間は自分の思い通りにいかないとイライラします。
それには『世の中は自分の思い通りにいかない』と知ることです。
知っていることと出来ていることは違います。
次はそれを知り、イライラしないように鎮めていきましょう。
- コップ一杯の水を飲む。
- 深呼吸をする。
- 何かを言いたくなったら6秒待つ。
以上がポイントです。
とにかく、頭を熱くしない為にはイライラに対処出来るようになりましょう。
食生活の不摂生の対処法
これは食生活を正すに他なりません。
何かを手に入れる為には何かを手離さなければなりません。
- お酒を控える。
- 外食やコンビニ弁当を止める。
等が必要です。
また、今まで身体に溜まった毒素を排出する必要がありますので、太っている人は特にダイエットや、デトックスの習慣を付けていきましょう。
具体的に粗食・玄米菜食・一日二食・一汁三菜を半年も続けると身体はスッキリします。
青物の野菜を豊富に摂取しましょう。
疲れ過ぎによるものの対処法
疲れ過ぎて身体中で炎症を起こしている場合、『安静』と『休養』が必要です。
頭を熱くしない為には休むことが必要だということです。
この時にスマホ等で遊んでいると頭に血が集まりやすくなりますので控えましょう。
とにかく休むことです。
クールダウンが必要です。
女性ホルモンバランスの乱れ(更年期など)によるものの対処法
これには婦人科に掛かるのが一番早いです。
場合によっては低用量ピルなどが処方され、薬が合うと症状が軽減されます。
まずは医師に相談しましょう。更年期障害などで、問題が発生している場合は、1度症状を改善できても頻繁に症状が発生する事が考えられます。
行きつけの病院の先生に診てもらって、症状の経過などについて一緒に観察して、少しでも症状が和らぐように治療をしてもらう事が、安心感もありますしもしもの病気などにもいち早く対応することが出来ます。
高血圧によるものの対処法
高血圧の原因には色々ありますが、これも降圧剤を服用することにより下がります。
しかるべき医療機関に受診して医師の診察を受けましょう。
その上で、食事の見直しや怒りっぽい性格などを矯正することです。
人間は一日に9000回の選択をして生きているそうです。
日々の生活の中で癖となり、いつもの生活を営みます。この習慣を変えることにはものすごい力が必要になります。
いつも怒っている人はそれを自覚していつもと違う『怒らない』という選択をして生きることです。
『怒り』はエゴです。
わがままな人がすぐに怒ります。
頭を熱くしない為にも『怒り』を制御出来るように訓練しましょう。