暑い夏、そうめんや冷や麦など、どうしても簡単なのど通りのよい食事で済ませてしまう事が多くなる時期です。
毎日30品目の食事を…と考えてはいても、高齢者の中には糖尿病などの病気やダイエットをしていると中々生活習慣に取り入れるのは難しいですよね。
そこで暑い夏を乗り切る為にも、夏バテ対策について一緒に考えてみましょう!
目次(クリックするとスクロールします)
夏バテ対策の飲み物や食べ物の選び方は?
『夏バテ』
夏にバテるのが夏バテですが、その原因は何でしょうか?
暑さにやられることは確かにありますが、そればかりではありません。
『なんとなく食欲が湧かない…』という気持ちに代表される通り、胃腸の不調から夏バテは出てきます。
どうしても暑く、汗が流れ落ちていくと水分補給の為にキンキンに冷えた飲み物を摂りたくなります。
火照った喉を滑り落ちていく、あの冷たく気持ちよい感覚とともに身体に潤いを与え、生きている!と生命を実感する瞬間です。
また盛んにテレビなどのメディアでは『水分補給』のCMが流され、ニュースでは悲しい熱中症が取り沙汰されます。
この水分補給に夏バテのワナがあります。
汗などで流れ落ちた水分はその分いつもより補う必要があります。
しかし気持ちよさを追求するあまり、テレビなどのCMのようにごくごくとのどを鳴らし、まるで滝のように胃に落とし込んでいきます。
すると胃の中ではどうなっているでしょうか?
まず、食べ物を消化する為には胃酸が必要です。
塩酸に匹敵するph(ペーパー)を持つ胃酸で食べ物は強力に消化されていきますが、これが水分で薄まると消化能力が低下します。
更に胃の血管は髪の毛よりも細く、そこに冷たい飲み物が入ることにより胃の血管は収縮、血流は低下し、胃の伸縮弾力性は失われます。
さて、水分で薄まった胃液、冷たさで働きの悪くなった胃に、スタミナをつけようとがっつりと焼き肉を食べたとしたらどうなるでしょうか?
答えは消化不良です。
そして更に消化しなければならない胃は、いつもの必要以上に消化を促す働きを酷使しなければいけません。
これではますます身体は疲れてしまいます。
職場が暑いからといって、頭から冷たい水を掛けられ、べちゃべちゃになって見辛い資料を元にいつもよりも長く仕事をしたらどうなるでしょうか?
風邪をひきます。
これがお腹で起こるのが胃腸炎です。
今年の夏は、夏バテになる前に水分補給の方法を見直しましょう。
少しずつ水分を摂る。『ごくごく』から『こく、こく、』へ。
冷たいものばかりではなく、温かいものや常温の水分も摂取する。
また食事の内容にも気を付けましょう。
夏バテの時の食べ物を選ぶときのコツは
- 胃腸を労わる
- 食欲を促す
- 元気が出る
の3つを重視して選びましょう。
夏バテの食事でオススメレシピは?
すべて一人前のレシピです。
胃腸を労るらくらくポトフ
・コンソメスープの元…1つ
・水…600cc
・キャベツ…1/16程度
・にんじん…1/4
・じゃがいも…1/4
・たまねぎ…1/4
・ウィンナー…2本
・お醤油少々
- コンソメスープの元一つを水600cc入れ中火で沸々と煮たたせます。
- キャベツ、にんじん、じゃがいも、たまねぎ、ウィンナーを入れ中火でコトコト25分煮ます。
- 最後にお醤油をほんの少し落とします。
出来上がり。
キャベツにはビタミンUが入っており、胃腸を優しく保護します。またにんじんは粘膜を強くするベータカロチン、じゃがいもは熱でも壊れにくいビタミンCが入っており、ウィンナーであるお肉がタンパク質を補います。
ことこと煮込んだお野菜たちは胃腸にも優しく、夏の疲れた身体に染み込んできます。
心も癒されるじんわり卵粥
・お出汁(だしの素でもOK)…400cc
・卵…1つ
・鶏ササミ肉…1つ
・お酒、塩、醤油適量
- お出汁400ccに料理酒、お醤油、塩で味付けし、鶏のササミを一つ入れ、中火で一度煮たたてます。
- 煮上がったら火を弱火にし、あくを取り除いてからご飯を1合入れ、鶏肉をほぐし、かき混ぜながらコトコト煮ます。
- お好みの柔らかさになったら溶き卵を一つ分回しながら入れていきます。
- 蓋をして火を消して1分蒸らします。
- みつばを散らして出来上がり。
胃腸に優しい柔らかくなったご飯は消化吸収に優れ、十分なエネルギーを補給します。
また卵は完全栄養食と呼ばれる通り、生命力の源が詰まっています。
江戸時代には獣肉がスタミナをアップする妙薬としても用いられていました。
ボディービルダーが筋肉保持の為に鶏のササミを食べるのは有名ですね。
お酢パワーで元気に!大根と鶏肉のさっぱり煮
・お出汁…600cc
・大根…1.5㎝のを2つ
・鶏もも…唐揚げ位の大きさのが2つ
・お酒、砂糖、醤油、酢…それぞれ小さじ1
- 大根は十字に隠し包丁を入れ沸騰したお湯で5分ほど下茹でします。
- お出汁600ccに下茹でした大根と鶏ももを入れお酒、砂糖、醤油、酢を加えます。
- 強火で煮立たせ、アクを取ってから弱火にし、アルミホイルなどで落としぶたをし、25分ほどコトコト煮ます。
出来上がり。
大根には胃腸を労る消化酵素がたくさん含まれています。
焼き魚や天ぷらに大根おろしがつくのはそれらの消化吸収を助ける為です。
またお酢にはクエン酸が多く含まれ、疲労物質である乳酸をまたエネルギーにリサイクルしてくれます。
鶏肉でタンパク質を補給して、お肌対策にも効果的です。
時間のある時はお家でゆっくり、明日への活力の為にこれらのお夕食を自分や家族へ作ってあげることが出来るといいですね。
ただ、夏は疲れて「もうお家でご飯を作るのも億劫!」なんて時もあります。
そんな時は上手にコンビニや手軽な外食を利用しましょう。
夏バテの食事でコンビニや外食でオススメなのは?
コンビニで手軽に購入できるおすすめの食品を紹介します。
とろろそば
安定のとろろそばです。
昔から『山のうなぎ』と呼ばれ、あのねばねばが滋養強壮に優れた効果を発揮します。
ねばねば質はムチンと呼ばれ胃粘膜や目などの粘膜の保護をします。また様々な消化酵素を含む為、胃腸に優しいのも素敵なポイントでしょう。
擦り下ろしたやまいもはするりとのど越しも良く、冷たいそばとの相性も抜群です。
まさに夏バテの強い味方と言えるでしょう。
お粥
最近はお粥の専門店も多く出回ってきました。胃腸に負担を掛けることなく速やかに栄養補給が出来る日本人に合ったお料理です。
病人食と思われがちですが、病人でも栄養を優しく消化吸収出来る食事を健康な人が普段の生活に取り入れることで、胃腸を休め身体の代謝がアップします。美意識の高い方がお粥を好むのはそういう理由があります。
うなぎ
『本日土用丑の日』で有名なうなぎ。もはや語ることのない栄養食です。
1000年も前から「夏の土用にはうなぎがいいよ!」と万葉集に載っているほど日本人のDNAに刷り込まれています。
豊富なコラーゲンとビタミンAの美容促進タッグは目にも良く、PC、スマホ、タブレットに囲まれた私たちにも1000年の時を越えて安定した恩恵をもたらしてくれます。