冬の時期に手足を冷やすとあらわれる「しもやけ」の症状。むずがゆい、痛い、ジンジンするなど耐えがたい不快感ですよね。油断していると夏にも発生する可能性もある症状になります。
掻き毟ってしまうと悪化し、いつか治るだろうと放置してしまうとさらに重症化させてしまいます。そうなると生活にも支障が出ますし、何より辛いですよね。
では、そもそもどうしてしもやけになってしまうのでしょうか?
この記事では、しもやけの原因を解説します。
さらに、しもやけを治すにはどうすれば良いのか?その治療法や効果のある薬もご紹介します。
ぜひ一度お読みになって、予防と改善に努めてくださいね。
目次(クリックするとスクロールします)
しもやけの原因とは?
特に冬の時期に冷えすぎたりすることで起こるしもやけですが、どうして冷えるとしもやけになるのでしょう。
しもやけの原因は全身に血液が行きわたらなくなることで起こります。その「血液が行きわたらなくなる」ことの原因はたくさんあるのです。
生活習慣が悪いのか、体質で仕方がないのか、他にも悪いことがあるのか?ここではしもやけを引き起こしてしまう原因をまとめました。
血行不良
しもやけの起こる原因は血行不良です。
本来血液は全身にいきわたるようになっています。ですが、何等かの理由で血流が滞ることで特に心臓から遠い体の抹消部分である手足などの血行が悪くなると皮膚が炎症を起こしてしまいます。
気温が低いと血行不良に陥りやすく、さらにもともと血行の悪い冷え性の人は得にしもやけになりやすいです。
ですが、実はこれだけでしもやけになることはありません。
冷えて血行が悪くなったところが長時間湿気を帯びることでしもやけの症状があらわれます。
皮膚が湿る・濡れるなどして体温を奪ってしまうことで、さらに血行が阻害されしもやけになる確率も高くなります。
靴や靴下などで圧迫されることにより血行が悪くなってもしもやけの原因になりますよ。
ビタミンの不足
しもやけの原因にはビタミンの不足も考えられます。人の身体にビタミンなどの栄養素は不可欠で、不足すると様々な障害や病気を引き起こします。
しもやけに大切なのはビタミンCとビタミンEです。
ビタミンCは皮膚の健康を維持したり血液をサラサラにする作用があり、ビタミンEには抹消神経の血行を正常にするはたらきがあります。このどちらも不足することでしもやけを引き起こしてしまう危険があります。
また、このふたつのビタミンは同時に摂取することで吸収率が上がるという効果があるので、どちらが一方が不足してもよくないのです。
病気の可能性も
しっかり予防しているはずなのに何回も繰り返してしまう人は、もしかすると「静脈循環障害」という病気かもしれません。
静脈循環障害とは遺伝性のある、生まれつきの病気である先天性障害です。この静脈循環障害が原因で血管障害が起こり、しもやけに似た症状が出てしまうのです。
静脈循環障害は遺伝の他にも運動不足や長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし・加齢や肥満・妊娠によっても引き起こされます。
また、しもやけに似た症状は膠原病でも起こります。
膠原病の症状には紅斑や紫斑・水疱ができ、かゆみを伴うこともあるのでしもやけと非常に間違いやすい病気です。
こういった病気の場合はしもやけのような症状の他にもあらゆるトラブルを伴います。
しもやけを何度も繰り返してしまう場合は病気の可能性も考え、早めに医師の診察を受けるようにしたいですね。
しもやけの治し方は?
しもやけになってしまったらどのように対処すれば良いのでしょうか?昔から、しもやけになると「これをしておけば良い」といわれるような治療法があります。
現段階で有効とされているしもやけの治療方法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
温冷交互浴
これは昔からの民間療法として有名ですよね。方法としては、温水と冷水に交互に患部をつけるというものです。
40度のお湯と5度の水を用意して、10秒間ずつ交互につけるやり方から5分間ずつというやり方まであります。ですが、冷水にあまり長時間つけることはしもやけにも皮膚にもよくないので痛みや皮膚の感覚に注意しながら行ってください。
血行を良くすることが目的ですので、温水につけている時間を長めにすることもオススメです。その間、優しくマッサージするとさらに血行の改善に役立ちます。
ただしこれはごく軽度の場合の治療法で、あくまで民間療法だということを頭に置いておきましょう。
要注意!針で刺して血を抜く治療法
よく、しもやけで腫れた患部に針を刺して血を抜くという方法を聞いたことはありませんか?
確かに、黒い血が出ると悪いものを出し切ったようで治りそうな気がしますよね。
ですが、この治療法は間違いです。針で刺したことによりかゆみが紛れますが、症状が治まったわけではありません。
それに、この方法を試す時に針を消毒しないなんて言語道断です。刺したところから細菌に感染してさらに酷くなったり感染症にかかってしまうかもしれません。しっかり消毒していても、傷口からばい菌が入って化膿する可能性もあります。
どうしても我慢できない時は、無理に自分で治めようとしないで病院へ行くようにしましょうね。
醤油を塗る
これも民間療法ですが、しもやけの患部に醤油を塗るという治療法があります。
やり方は「患部に醤油を塗り、ストーブで乾かす」、これを数回繰り返すという簡単なものです。
この方法は、科学的な根拠は全くないのですが効果を感じられたという体験談がすごく多いです。
ただし、患部を掻き毟るなどで着ずができていた場合ものすごくしみて痛いです。何かの拍子にばい菌が入ることも考えられますので大きな声ではオススメできない治療法ですね。
やっぱり、病院で治療してもらうのがいちばんです。
湿布を巻く
しもやけの対処法で「湿布を巻く」というものもあります。
またこれも民間療法の、根拠のない方法だと思いましたよね?ですがこれ、ちゃんとした治療法なんです。
湿布といえば筋肉痛とか肩こりなどの痛みには効くというイメージがあると思います。
実際、腰を痛めて病院へ行くと処方されますし…
実は、湿布には血行を良する効果があり、しもやけの痛み・かゆみを緩和してくれる効果もあります。
しっかり、湿布のパッケージ裏の「効能」欄にもしもやけと書いてあるんです。
筋肉痛などに使用する湿布なら同じような効果があることが多いですが、念のため裏の説明書きを確認してから試してくださいね。
しもやけに効果ある薬は?
ここではしもやけに効果のある薬をまとめました。
無理な方法に頼らず、薬を利用してしっかり治しましょう。
しもやけの原因から「しもやけになってしまうかも」という自覚があれば、薬を常備しておくと安心ですよ。有効な薬について知っておきましょう。
市販薬:オロナイン
これは定番で、どのご家庭にも必ずあると言っても過言ではないですよね。
正確にはオロナインH軟膏といい、皮膚疾患や傷薬として使用されることが多いと思います。
このオロナインH軟膏は、実はしもやけにも効果があるんです。優しくしっかりすり込むように塗ってください。
市販薬:メンソレータム軟膏
メンソレータム軟膏は油分により皮膚の表面を保護しながら血行不良も改善してくれます。
さらに、メントールやユーカリ油配合でかゆみからくる不快感を軽減します。
スーッとしているので、熱を持ってむずがゆいしもやけの患部にはとても気持ちが良いですよ。
クリームの要素が大きいですので小さな子供にも安心して使用できますね。
処方薬:ステロイド軟膏
ステロイド軟膏は、しもやけの原因そのものにはたらき治療する薬ではありません。
しもやけの症状であるかゆみで掻き毟ったり皮膚が傷つきただれた場合に処方され、塗ることがあります。
特に、顔よりも手足がしもやけになったときに処方されることが多いです。
市販でも成分が薄いもので、他の成分とあわせているものであれば販売されています。
- ベトネベートN軟膏
- テラ・コートリル軟膏a
- フルコートF
市販商品を求める場合は、上記のの商品を購入して使用するといいでしょう。
処方薬:カルナクリン錠
カルナクリン錠は、高血圧やメニエール病の治療薬としても処方される飲み薬です。
血管を拡張し血流を良くするはたらきがあります。冷え性やめまいの改善も期待できます。