これからの季節、冬を表すことばのひとつに冬至があります。
あなたも聞いたことありますよね?
冬至は太陽がもっとも低い場所を通る日で、そのため日の出から日の入までが1年でいちばん短い日なんです。つまり、日照時間が短いということですね。
昔から、冬至の日にはある風習が受け継がれてきました。
そこで、この記事では冬至の風習や行事の中でも有名な「ゆず湯」と「かぼちゃ」についてお伝えします。
・冬至の日には、どうしてゆず湯に入るの?
・冬至にかぼちゃを食べるのはなぜ?
といった、当然の疑問ながら今まで深く考えなかったことを解説しますね。
冬至についての詳しい説明や、今年の冬至の時期もご紹介します。
意味もない風習が、何百年も続くはずがありません。長く続くことにはそれなりの理由があるんです。今年こそ、冬至の日にゆず湯につかり、かぼちゃを食べる前にぜひ由来を知ってください。
みんなでかぼちゃを食べる時、豆知識として披露してみてくださいね。
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ゆず湯の意味は?
ゆず湯には、ゆず=融通(ゆうずう)冬至=湯治(とうじ)の意味があると言われています。
冬至にゆず湯で湯治をして元気で融通の利く毎日を
(冬至にゆず湯につかれば元気に過ごせる)
という語呂合わせですね。なんともおやじギャグのような・・・いえいえユーモアのある考え方ですね。
そして、ギャグだけではなく先ほどもお伝えしたように、冬至は1年のうちもっとも日照時間が短いことから昔の日本では「死にいちばん近い日」だと考えられていました。
そのため、冬至の日にはゆず湯につかり厄払いをしていたのです。昔は、毎日入浴しなかったのでお風呂につかること自体に体を清める意味合いがあったのですが、香りの強いゆずを浮かべることでさらにその効果を高めていたようです。
これには、単純に厄を払うということと、運を呼び込む前の禊(みそぎ)という意味もあったようです。
ゆず湯は、昔はこのような意味で入っていたゆず湯ですが、実は科学的な根拠も証明されているのです。女性に嬉しい美容効果もあります。
では、ゆず湯の効果をひとつずつ見ていきましょう。
血行改善
ゆずに含まれる成分のへスぺリジンやシトラール・クエン酸には、血行を促進して血流を改善する効果があります。
ですので、
・冷え性の予防、解消
・毛細血管の強化
・血中コレステロールを低下
などの効果があり、ぽかぽかと湯冷めしにくい体をつくります。
湯冷めしにくい体が手に入れば、自ら温めグセもつくので指先の冷えやしびれ・肩こり・腰痛・頭痛・めまい・便秘や下痢・全身の倦怠感などをじょじょに改善することが期待できます。
リラックス効果
リモネン・シトラール・クエン酸・リンゴ酸・ビタミンC、ペクチンと、ゆずには疲労を回復する効果のある成分がたくさん含まれています。
疲労回復だけでなく頭をすっきりさせたり、安眠効果やリラックス効果もあるので、ストレスを和らげることにも役立ちます。
また、これらのような効果があることから自律神経のバランスを整えることにもつながり、心身の様々な健康に高い効果があります。
細胞の成長促進
ゆず湯には細胞の成長を促す効果があります。
先ほどご紹介した体を温める効果ですが、体温は1度上がるだけでも代謝が約15%、免疫力は約30%もアップするといわれています。これにより回復力や自然治癒力もアップし、病気にかかりにくく、罹っても治りやすくしてくれるという効果があります。
また、胃腸などの病気の予防や腸内環境を整えてくれるので、便秘や下痢を解消してくれますよ。
美肌効果
ゆずには嬉しい美肌効果もあります。
しみやシワ・そばかすの改善や予防、肌や髪を保湿してツヤアップします。
さらに、抗酸化作用もあるのでアンチエイジングにも効果的で特に冬は肌の調子が狂いやすいので冬至に関係なくゆず湯につかりたいですね。
デトックス効果でアレルギーを軽減したり、肌のキメを整えうるおいツヤ肌に近づけてくれます。
殺菌効果と鎮痛作用
ゆずの殺菌効果や鎮痛作用はとても高く、この時期とくに気になる「ひび・あかぎれ・しもやけ」を予防・改善してくれます。
その他神経痛や筋肉痛・リウマチの緩和にも効果があり、がん予防、とくに皮膚がんに効果的です。
粘膜を強化してくれるので、風邪や病気の予防にも役立ちます。直接目に入れることはしませんが、目の粘膜にも効果があるんですよ。
ゆず湯のつくり方
ゆず湯は、特別な銭湯や温泉に行かなくても、自宅で手軽に楽しむことができます。
湯船にお湯をはり、ゆずを浮かべて完成です。
ゆずは、通常5~6個入れたいところですが、2~3個しかなくても皮に切れ目を入れるとエキスがしみ出しやすくなります。
また、丸ごと浮かべるだけでなく、輪切りにしても良いですよ。その場合は、シンクの排水溝用ネットなど目の詰まった網目状のものに入れるとカスが出ないのでオススメです。木綿の布巾に包んでも良いですね。お湯の中で袋を揉みながら楽しみたいです。
ただし、お肌の弱い人には少し刺激が強いので、全身つかる前にパッチテストをしてください。赤みやヒリヒリとした痛み、かゆみがあらわれた場合は残念ですがゆず湯は避けた方が良いでしょう。
ゆず湯は温熱効果がとても高いので、冬の間に繰り返し入ることをオススメします。
一度使用したゆずは繰り返し使うことも出来ますが、衛生面を考えて2度目くらいで止めておきましょうね。
かぼちゃを食べる由来は?
では、次は冬至の日に伝わる風習のもうひとつ、かぼちゃについて解説します。
冬至にかぼちゃを食べることには、風邪の予防になったり、脳卒中を起こさないようにという願が込められています。
でも、そもそもなぜかぼちゃなのでしょうか?
かぼちゃといえば、夏の野菜ですしどうしてわざわざ冬至に食べるのかよくわからないですよね。
もともと、冬至には「ん」のつく食べ物を食べると「運」を呼ぶことができると考えられていました。
「ん」のつく食べ物はたくさんありますよね。れんこん、ぎんなん、きんかん、にんじん・・・そして「南瓜」、カボチャです。南瓜はなんきんとも読み、「ん」が2度も入っています。
このように「ん」のつく食べ物のことを運盛りといい、縁起が良いとして食べられるようになりました。
また昔は、飽食の時代といわれる今とは違い、冬の飢えをしのげるかといった心配は尽きませんでした。かぼちゃは夏に採れる野菜ですが、長期間「日持ち」するので、冬の食料として重宝されていました。
大切にかぼちゃを保存して、冬を越す重要な栄養源として当時の人々には欠かせないものだったんです。
かぼちゃの栄養は、現代の科学から見ても理に適っています。
かぼちゃは緑黄色野菜で、ベータカロテンが豊富に含まれています。
ベータカロテンはがんの抑制や免疫力をアップさせる効果、そして体内でビタミンAに変わることで肌や髪の健康維持、粘膜を強くしたり呼吸器官を保護するはたらきもあります。でうsので風邪予防にも効果的ですね。
他にもナトリウムで血圧を低下させたり抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEでアンチエイジング効果、水溶性食物繊維が豊富なので腸内環境を整えて便秘や下痢の解消、肥満予防にも効果があります。
昔の人は、栄養学もあいまいだったのに、しっかり栄養のあるものを食べているのはすごいですよね。
オススメのレシピは、カボチャと小豆を一緒に煮込んだ「いとこ煮」です。
かぼちゃと同様、当時によく食べられる小豆には、その赤い色から魔除けや厄除けの効果があるとされてきました。
中国では当時に小豆を食べるという風習があり、その風習が日本に伝わったとも言われています。
いとこ煮は、硬い小豆を先に煮始めて、追い追いかぼちゃを入れる、という順番から「甥甥(おいおい)」との語呂合わせでいとこ煮と呼ばれるようになりました。
それにしても昔の人は語呂合わせが好きですね。
いつものかぼちゃの煮つけを作る時の味付けで、小豆をプラスしてみてくださいね。