最近は季節や男女問わずに現れる末端冷え性。
これは単に血流が悪いだけではなく、様々な原因によって現れると考えられます。効果的に末端冷え性を改善する為にはまずは自分の体質を知ることです。
ここではまず自分の体質を知り、それから各対処法を学んでいきましょう。
目次(クリックするとスクロールします)
末端冷え性の改善方法のコツ?
末端冷え性には4つのタイプがあります。
②ストレスタイプ
③胃腸が弱いタイプ
④むくみタイプ
この1~4つが複合的に絡み合い、末端冷え性が生まれます。
①血流が悪いタイプ
ずっと同じ姿勢で仕事をしたり、貧血気味や筋肉が少ない女性に多く見られます。
ずっと同じ姿勢でPCなどで仕事をしている様子は、見るからに血行不良になりそうですが、そのポイントは血流量と筋肉量によります。
貧血気味の方は肌が白く綺麗には見えますが、心臓から上の血流が悪くなる為に頭に血液が登りづらくフラフラと立ちくらみなどをします。
この時に肩で血流が滞るので、肩こりやその先の指に血液が回らずに末端冷え性になります。
また筋肉量が少ない方は、足から心臓に血液を戻す力が弱いので足先の冷え性になります。
②ストレスタイプ
ストレスを感じると人間は抗ストレスホルモンのコルチゾールを体内に分泌します。
この時、身体はストレスに対抗し身を守る為に『戦闘体勢』に入ります。
これは『怒り』を感じた状態に似ています。
手足は急な運動で熱くなってもいいように冷え、頭に血が昇り周囲に神経過敏になります。
これは身体の防衛本能です。
以上によりストレスを感じると手足が冷えます。
③胃腸が弱いタイプ
胃腸が弱い方は、栄養を吸収代謝し身体に熱を産制する力が衰えています。
よく食事に出てくる『カロリー』とは日本語で『熱量』と書きます。
食事は身体に熱を生み出す為に必要なものですが、胃腸が弱く、少食の方の場合はそもそものカロリーが足りなく、摂取した食事を熱に変える力が弱い、つまり『代謝が悪い』と言えます。
それにより、身体の内側から温める力が低下してしまいます。
④むくみタイプ
特に末端の足冷えの方に多いタイプです。
足がむくむとリンパなどの液体が足に溜まります。
水は冷たさを感受しやすいという性質を持つので、むくみやすい方は足冷えがしやすい傾向があります。
以上を踏まえ、それぞれの末端冷え性に良い食べ物や飲み物、また改善する為の漢方薬をご紹介します。
末端冷え性に効果的な食べ物は?
①血流が悪い人によい食べ物
にんにくに含まれるアリシンという成分がビタミンB1とくっつくとアリチアミンという活性率の高いビタミンB1に変わり、滞った疲労物質の乳酸を分解します。
それにより肩こりの解消に繋がり、血行不良が改善され、冷え性を軽減します。
②ストレスで冷え性の人によい食べ物
ストレスを感じやすい方は香りのする『香草』が緊張を和らげます。
シソや春菊、好きならパクチーなども良いです。
爽やかな香りが気持ちを落ち着かせ、副交感神経を優位にすることにより身体の冷えを緩和します。
③胃腸が弱く冷える人の食べ物
これは『卵粥』一択です。
消化の良いお粥に生命エネルギーの溢れる卵は熱産制効率が高く、お腹からポカポカ温めます。
④むくんで足冷えの人の食べ物
水はけを良くする食べ物は瓜科の食べ物と豆科の食べ物です。
その中でも南瓜(かぼちゃ)や小豆はカリウムの作用により余分な水分を体外に排出する作用があります。
末端冷え性に効果的な飲み物は?
冷え性の人におすすめの飲み物はこちらです。
①血流が悪く冷え性になる人の飲み物
生姜紅茶が代表格です。
今は粉末タイプの生姜がありますので、手軽に摂ることが出来ます。
②ストレスで冷える人の飲み物
爽やかなミントティーは気分をすっきりとさせてくれます。
またセントジョンズワートというハーブは別名『サンシャインサプリメント』と呼ばれ、沈んだ気持ちを明るくしてくれます。
③胃腸が弱く冷える人の飲み物
シナモンティーはお腹を温める作用があります。
漢方薬でお腹を温める処方にはシナモン(桂皮)が配合されています。
④むくんで足冷えの人の飲み物
『トウモロコシのひげ茶』には利尿作用があり、むくみには有効です。
最近はドラッグストアにもペットボトルで販売しています。
末端冷え性に効果的な漢方薬は?
薬草を単味で使うハーブに対して、漢方薬は様々な薬草を複合的に配合して効果を高め、医薬品として認められています。
煎じ薬といって、生の薬草を煮詰めてお茶のように飲むことが出来ます。
体質で選ぶことが出来ますので一例を挙げていきます。
①血流が悪いタイプ
●当帰加四逆呉茱萸生姜湯(とうきかしぎゃくごしゅゆしょうきょうとう)●
末端冷え性の名処方です。
呉茱萸(ごしゅゆ)と細辛(さいしん)が末端を温めます。
補血剤が多い為、胃腸虚弱な方は注意が必要です。
②ストレスタイプ
●加味逍遙散(かみしょうようさん)●
過剰なストレスから来る女性の体質不良に多く使用されます。
加味逍遙散の“逍遙”とは『のんびり』とか『ゆったり』という意味です。
虚弱体質が原因で肩こり、疲労や目眩、だるさ、精神や情緒不安、ストレスが引き金となっていることによる腸の消化活動が悪くなることによってお腹が張る症状、冷え症、月経不順、PMS(月経前緊張症、更年期障害などに使用されます。
③胃腸が弱いタイプ
●六君子湯(りっくんしとう)●
胃腸に元気を補い、栄養の吸収代謝を促します。
貧血にも効果があります。
④むくみタイプ
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)●
婦人科の代表処方です。
補血利水剤として、血液を補い、余分な水分を体外に排出する薬草の構成です。
子宮筋腫や子宮内膜症、月経痛にも使用されます。
まとめ
上記に挙げたものはあくまでも一例です。
漢方薬を用いる場合は体質や環境も加味して選ぶことが大切ですので、きちんとした専門家に伺い処方を決めていきましょう。