乾燥した冬の季節に入ると息を潜めていたウィルスは空気中に漂い始め、風邪を撒き散らします。
のどの痛み、咳や頭痛、発熱、節々の痛み、くしゃみ、鼻水、鼻つまりなど不快な症状を発現させて、生活や仕事の質が低下してしまいます。長引く場合には、仕事や学校を長期間休んだり生活に支障をきたしてしまいます。
そうならない為にも、ここでは『冬風邪』を知り、対処していく方法を知っていきましょう。
目次(クリックするとスクロールします)
冬風邪の症状は?
乾燥した空気から鼻のどの粘膜が傷付くことにより発症する冬風邪。
どんな症状が出やすいのでしょうか?確認していきましょう。
咳、痰、鼻水、鼻づまり
侵入したウィルスを排除する為に咳や痰という症状が現れます。
最初は「コンコン」という乾いた咳、症状が進むと「ゴボッゴボッ」といった濁った咳や痰が出ます。
これはウィルスと戦った白血球が死骸として痰や鼻水となって排出しようとする為です。
白血球とウィルスが盛んに戦っている時に粘性と色が濃い鼻水や痰が出ます。
これらの色が薄くなるにつれて症状は緩和していきます。
のどの痛み
ウィルスがのどに付着すると、そこに白血球を集める為に身体は炎症反応を起こします。
『炎症』とは文字通り火傷のような症状のことですが、『熱を持ち腫れる』という症状を現します。
それにより、のどが腫れてイガイガしたりする訳です。
発熱、頭痛、節々の痛み
ウィルスが体内にまで進入した時、身体は発熱しウィルスをやっつけようとします。
その時の免疫反応により、各血管は膨張、全身に血液を配します。
頭痛の場合、広がった血管が脈打つ度に隣にある神経に触れる為、「ズキンズキン」と痛みが出ます。
また節々の痛みは免疫の働きにより、サイトカインという炎症を促す物質が血液中に放出される為、身体の関節である節々に集まりやすく痛みを生じさせます。
腹痛、下痢
胃腸に入ったウィルスを排除する為に身体の防衛反応として下痢をします。
注意したいのは下痢止めを服用すると、風邪の治りが遅くなってしまいます。
乳酸菌サプリメントや整腸剤を使用するようにしましょう。
冬風邪の原因となるウィルスの種類は?
世の中にはたくさんの風邪を引き起こすウィルスがいます。
主に有名なインフルエンザウイルスを始めとして、
・コロナウィルス
・RSウィルス
・ヒトメタニューモウィルス
・パラインフルエンザウィルス
・アデノウィルス
などが冬の代表なウィルスです。
あまり聞き馴染みが薄いウィルス達ですが、こんなウィルスがいることを知っておきましょう。
『ライノウイルス』『コロナウィルス』
だいたいこの二つが風症候群、つまり鼻風邪や咳などのよくある風邪の原因ウィルスです。
たくさんの型を持つため、現代医学では特定のワクチンを作ることが出来ずに、毎回風邪と言えば似たようなこれらのウィルスにかかることになります。
『RSウイルス』『パラインフルエンザウイルス』
お年寄りや乳幼児における肺炎で有名なRSウィルスですが、馴染み薄い『パラインフルエンザウイルス』と共に呼吸器感染による入院の主な原因ウィルスです。
『ヒトメタニューモウイルス』
2001年に発見された比較的新しいウィルスです。
主に急性呼吸器感染症(中耳炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎など)を引き起こします。
『アデノウイルス』
夏風邪で有名なアデノウィルスですが、冬にもいます。
ウィルスの種類により咽頭炎のみならず、
呼吸器、消化器、眼などでさまざまな感染症を起こします。
冬風邪の治し方は?
ここでは症状別にそれぞれの対処法を見ていきましょう。
初期症状『鼻のどの乾燥』『コンコンという乾いた咳』が出た時
鼻のどの粘膜が乾燥してウィルスを排出しているサインです。
この時点でまず(風邪にかかりやすくなっているな)と気付くことから始めます。
今のところウィルスを咳で排除出来ていますが、弱った粘膜ではいつか防御壁が突破され、本格的に風邪にかかってしまいます。
この時点で始めることは『のどを潤し保護する』ことです。
まずは『マスクの着用』。これは予防の時点からされている方も多いでしょう。
職場や旅行先などで乾燥がキツい場合は『加湿器』を使うのも一つの方法です。ビジネスホテルなどでも貸し出してくれるとこれが多いので確認してみましょう。
急な空咳などはのど飴なども良いですが、普段からのどの粘膜が弱い方は『はちみつ』が良いでしょう。
『はちみつ』は殺菌作用と粘膜保護作用に優れており、声楽家や声優など、のどを酷使する方にも愛用されています。『マヌカハニー』が有名です。
出来ることなら早く寝て安静にし、粘膜の回復に努めましょう。
また激辛料理やアルコール度数の高いお酒などはのどを傷付けるので控えましょう。
中期症状
『のどの痛み、鼻水、鼻づまり、痰、湿っぽい咳、寒気』の時期
ウィルスが体表面から体内に侵入しようとしている段階で、必死に白血球が防衛することにより上記の症状が現れます。
この時点でもはちみつは有効ですが、最初の防衛ラインの損壊を防ぐ為にも早めの風邪薬で対処しましょう。
鼻のど専門の風邪薬が効果を発揮します。
購入する際には専門家に症状を伝えてから身体に合った風邪薬を選んでもらいましょう。場合によっては普段服用している薬と飲み合わせが悪い場合があります。
また寒気が出てきたら日本人の民間療法である『しょうが葛湯』が身体を温めて熱を発散します。
食事では消化の良いものを摂りましょう。
卵粥などは身体を温めて栄養も摂取することが出来ます。
後期症状『発熱、頭痛、節々の痛み』の時期
体内にウィルスが侵入し、それを退治する為に上記の症状が現れます。
いわゆる『風邪をこじらせた』段階です。ここまで行くと『安静』が最も重要になりますが、そうもいってられない状況もあるでしょう。
手っ取り早いのは病院での『点滴』です。発熱により体内の水分量が減ると倦怠感が増加します。加えて身体を治すことに力を向けた免疫機能の働きにより、栄養を消化することにすら体力を奪われます。
ただ、あくまでもこれは対症療法ですので、治すのは自分の免疫力に他なりません。
だいたい風邪は5~10日で自然緩解しますので、そこをいかに休養と栄養を確保しながら過ごすかが鍵となります。
またOS1やスポーツドリンクなどの摂取をし、脱水症状に気を付けましょう。
なるべくならこじらせる前に普段の生活習慣からの不摂生を見直し、冬風邪にかからない身体作りを目指しましょう。